サンサンコーナー
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アメリカ大統領選に思う
最近の世界情勢を見るにつけ、きな臭い硝煙の匂いがするように感じます。特にイスラエルとイランの対立、ロシアとウクライナの泥沼の戦い、パキスタンのスンニ派とシーア派の宗教絡みのテロ。北朝鮮によるミサイル発射、北朝鮮兵士のロシア派遣、プーチン大統領による戦術、核の使用をほのめかす威し等々数え上げればきりが無い程です。
このような中、アメリカ大統領選が行われ、ドナルド・トランプ氏が次期大統領に選ばれました。このことを我々は、日本のTV及び新聞、インターネットの情報により知り、判断しています。私のトランプ氏評ですが、彼は現在78才で同年代であり、今の日本社会では後継者が懸念される後期高齢者です。車の運転もそろそろ覚束ない年代です。この同年代のトランプ氏がアメリカの、いや世界の指導者となって、これからの4年間の指揮を執るのです。同年代ということで励みになると同時に、大丈夫かなと言う危惧を抱いています。アメリカにはもっと若手で有能な人材はいないのか、いや、仮にいたとしてもアメリカ国民が支持しないのか、です。
私は40年程前と5年程前に2度、ニューヨークのトランプタワーを見に行きました。同年代の不動産業という同業者のトランプ氏がニューヨークのマンハッタン地区で、すごいビルを建てたという事で、興味津々でした。当時の彼は、大統領への野望など殆どないと思える程、不動産王として君臨していました。そのトランプタワーの内外装の豪華絢爛で素晴らしかったこと。58階建ての超高層ビル、宝石のティファニー店の隣地。1階はレストランパブで2階から上は有名店舗がゆるやかなスロープに沿って並び、最上階までエレベーター、エスカレーターで上がり、ゆっくりとショッピングしながら下りられる設計です。客層も上流階級が多いようです。そのうえ、5階あたりから吹き抜けになっていて、淡いベージュ色のイタリア大理石で造った所に滝があり、水がとうとうと流れているのです。まるでアメリカ中のお金持ちが皆集まっているようでした。そして、宇宙ロケットのようなボナベンチャーホテルに宿泊したのです。アメリカの繁栄、賑わいを見て、「日本はとてもかなわないなぁ」と言う感慨を抱いたものです。
しかし、2度目に行った時には、1階のレストランパブのみ営業しており、2階から上はガラガラでした。元大統領のタワービルということで、アメリカ兵が機関銃を持って、ビルに入る際に厳重なセキュリティーチェックをしていました。そのレストランでコーヒーを飲んできました。なんという差だろうとつくづく思ったものです。
アメリカは日本の約26倍の国土を持ち、資源は豊富で、人口は約2.7倍です。日本を戦争で打ち負かした国であり、世界の指導国の一つであり、とても裕福で強い国というイメージでした。しかしトランプ氏の再登場によって、どうもアメリカは昔の裕福なゆとりあるアメリカではないのではないか、本当は少数の富裕層と大多数の貧困層で成り立っている国ではないかと思うようになってきました。
太平洋戦争(1941年~1945年)後の子ども達が、ギブミーチョコとジープに乗ったアメリカの進駐軍兵士にねだった頃の強い国アメリカではなくなっているのではないか?アメリカ国民は王者の風格を持って世界に誇ったアメリカではなくなったのではないか?世界をリードするのではなく、自分の国を守る為に窮々とするアメリカになってしまったのではないか?だから、現実的、排他的な人が選ばれるようになったのではないか?
アメリカ国民の心が、世界をリードするのではなく、自国のことのみを優先する第5代アメリカ大統領ジェームス・モンローの演説したモンロー主義に戻ってしまったのかもしれません。軍事力が突出し、一部の富裕層と大多数の貧困層の国。もう豊かとは言えない国になったのではないかと思わせる大統領選でした。
私たちは今までの認識を改めなければならないでしょう。おおらかな国のアメリカではなく、ぎすぎすとゆとりのないアメリカという大国と我々日本人は付き合っていかねばならないのかもしれません。
ラブ小松
不動産遊民
都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)
2024.12.5 | 10:28