サンサンコーナー
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8月4日の梯川の水害は天災なのか?人災なのか?
この度の梯川の水害は実に不思議な水害でした。まず、わずか2日の雨降りで各地に床上・床下浸水が1500棟近く、道路・田畑の冠水とひどい被害状況でした。被害地域の皆様の特に床上に浸水した地域の皆様は大変でした。
私は現在76歳で戦後の梅田町をほとんど経験していると言っても過言ではありません。これ迄、今回を含めて6回の浸水を経験しています。床上1回と床下5回です。床上の浸水は床上30㎝とひどい被害で、畳が全く駄目になり、便所の汚水や便が流れました。何故ならその当時は汲み取り式便所だったからです。実に、不衛生極まりありませんでした。
その際、家の前の小川等から金魚が釣れるようになりました。何故かというと、梅田町の各家庭に池が造られていて、その冠水により金魚が逃げ出し釣れるようになったと言う次第です。この床上浸水は私の高校2年生の時で今から60年前の事です。その他5回の冠水は小学校・中学校時代の事です。だいぶ昔の事で、最近は冠水していない日常に安心していました。これも梯川が一級河川に格上げ?格下げ?され大規模な堤防の補強工事が始まり、川幅を広げ、川の蛇行をまっすぐにし、川底を深くする大工事が成されたからです。これも、地元のある代議士のおかげと感謝していたのですが、一級河川という事で「100年に一度の大雨に備えて」の国土交通省のうたい文句でした。
では、今回の雨量は100年に一度推定していた雨量なのでしょうか?私は今回の雨量は100年に一度の推定を上回っているとは思いません。雨量の計算ミスではないかと思われます。また、一級河川の大工事の後、梯川の平常時の水量が昔と比べて実に多くなったように感じます。だから、少しの雨で水かさが増すのです。その上蛇行をなくした為に、川の流れが速くなり一気に日本海に流れ込む為、日本海が満潮だと梯川の水が処理できなくなるのです。その上梯川の本流の流れが速くなると、流れ込んでいる支流の水が止まるという事で各支流にポンプアップをするという対応をしている訳です。今迄はこのポンプアップの威力は絶大で大量の雨が降っても大丈夫でした。しかし今回は降雨量が多かったとかで、梯川の本流の水が多くて保てないという事で、各支流のポンプアップを全部ストップしたと言うのです。この、ポンプアップのストップという行政判断は大変な間違いです。それは、根本的な一級河川の設計思想が全く間違っていたという事なのです。
何が間違っていたかと言うと、支流のポンプアップを国土交通省の指示でストップするという事は、支流の水が必ず溢れるに決まっているからです。根本的発想が間違っているのです。この事は非常に重大な事です。だから、今迄に冠水した事のない地域が冠水しているのです。まず、ポンプアップをストップするような行政判断は大変な間違いなのです。今回は水の流れが今迄に無く、不自然で下から上へ水が逆流していました。それでも行政は認めないと思います。という事は、これからは100年に一度ある降雨に対してではなく、少しの雨が降る毎に我々住民はビクビクして暮らさねばなくなって来たからです。
この責任は国土交通省がとるのでしょうか?小松市がとるのでしょうか?それともほっかむりしてしまうでしょうか?このことは、国土交通省の河川に対する基本的な点のミスとしか認められません。これから、ポンプアップを常に止めるのでしょうか?そんな事をすれば必ず地域が水浸しになります。これは天災ではなく、人災なのです。この人災を人災と捉え修正していく柔軟性が行政に求められます。責任の転嫁ではなく、いかに実施するかがこれからの課題です。
不動産 遊民
都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)