サンサンコーナー
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サスティナブルな社会を目指してXVI
世の中どんどん時が経つ。偉い人も普通の人も、お金持ちも貧乏な人も、平等に時を重ねていきます。そして人間も動物も植物も、すべての生物は最盛期を迎え、やがて衰えて死に至ります。あらゆる物が古くなり、陳腐化して腐っていきます。
私達人間は自然の中でまるで王者のように振る舞っていますが、いつかは古くなる、老いるということを忘れているのではないでしょうか。
世の中は新しきを喜び、古きを忌み嫌います。しかし、この古くなる社会、高齢化社会において、ただ古さを嫌っていて良いのでしょうか?
どこかの講談家は、毒舌漫談を得意とし、中高年世代の人生の悲哀をあざけることで、笑いをとって人気を博していますが、あれは私には実に聞き苦しく、いずれは自分もそうなるのになあ…といつも感じています。またそれを聞いて笑っている観客をみると、あたかも自分は違うんだ、老いないんだという、まるで他人事、傍観者のようで違和感を覚えてしまいます。
今の社会は決して高齢者に優しくないと感じています。そして昨今のマスコミは高齢者を軽視しているところが目につきます。
例えば、書類関係の文字はどうでしょう?小さかったり、薄い色で書かれていたり、高齢者にとって非常に読みにくいものがよくあります。新聞・雑誌の字も小さく、商品の裏に書かれている説明書きも然り、まことに我々の年代には見えづらい小ささです。
私達は70歳を超えると運転免許の更新は自動車学校で実地の試験を受ける必要があり、75歳を超えると認知症の検査が必要です。
自分の足で出歩くことが困難になり、外出するのに車が必要となる年齢の人から、車の免許を取り上げようとしています。
公共交通機関が発達している都会ならいざ知らず、公共交通のサービスレベルが低下している地方圏では、(高齢者向けの)車の開発、街の都市計画等が急務であるのです。
にもかかわらず、現段階では一切高齢者に配慮されていないというのが現状です。もっと高齢者に優しい社会をつくっていく事が早急に必要だと切に思います。
今年は熊が街中に多く出没して人々を驚かせていましたが、これも元々は人間が熊の生息地を奪い、食料を無くしてしまった結果、今の状況を作り出しているのです。
人間は今まで以上に自然を知らなくてはいけない、その人間自身がまぎれもなく自然界の一部であるということに気付かなければならないと思います。人間やすべての生物はいつか年老い、古くなるという事を常に意識しなければならないと思います。
建物施設社会のシステム全てが陳腐化し、古くなっていくのです。これをどう修理し、補完していくか、それがこれからのサスティナブルな社会に向けての課題だと思います。
その中で人間はいかに自分の人生を全うしていくか、それはその人一人一人の人生観なのです。素敵な人生を!!
不動産遊民
都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)