サンサンコーナー
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不動産のおはなし No.2
高齢化が重大な社会問題となってきている今日この頃です。人は必ず老いて死ぬという事は誰しも知っている事ですが、殆どの人が老齢化、死というものに恐怖感を抱いています。それは、若い時にはできた事ができなくなり、記憶力も衰えて物覚えも悪く、昔記憶できていた筈の事ばかりでなく、今あった事ですら忘れてしまうという状況で、人はその事に恐れを抱いています。そうなると、自分の身体がどんどん老化、劣化していく事に不安感を隠せません。
しかし老化劣化していくのは人間の身体だけではなく、不動産もまさにそうなのです。否、あらゆる物、建物、道路、橋等々ばかりか、組織化された社会ですら老化劣化していってしまいす。
何でも新しく造った当初は美しくて快適なのですが、年月の経過により劣化する事は避けられない現実です。しかし人は、この年月の劣化、歳をとるという事に実に鈍感になっているように思うのは私だけなのでしょうか?今、高速道路が日本中に張り巡らされて非常に便利です。どこへ行くのも不自由なくいける訳ですが、この高速道路は必ず老化劣化します。この老化劣化に対し、常々修理していかねばなりません。修理を放置しておくと耐用年数が短くなり、すぐに造り替えが必要となります。それぞれに個別性はあると思うのですが、一般的に新しく造る時より、造り替えの時の方がコストがかかります。今現在あるものを使いながら壊し、また新しく建設しなければなりませんから。経費は新築時の比ではなく、数倍かかると思われます。これを予算化しているのでしょうか?
以前は高速道路は30年ぐらい経過したら、料金は無料化すると言われていました。今はとてもとても・・・。反対に値上げしないとやっていけない状況のようです。
今の日本社会は、この高速道路のようにどんどん建設され、それがどんどん古くなってきています。これからいろいろな故障が続出してくるでしょう。その時の対応は大丈夫なのでしょうか?
今や不動産もいろいろな住宅が新築されています。この住宅は木造で20年ぐらいの耐用年数と言われています。住宅の空き家が日本中で800万棟と言われ、これからの少子高齢化社会においてどんどん社会が変化していく中で、一番鈍感なのが官庁だと思います。何故なら未だに抑制政策を取り続けているからです。今後社会的責任を負わねばならない官庁が、法律の未整備による責任逃れを繰り返しているうちに日本の国力がどんどん衰退していくのが目に見えるようです。
今、日本社会はドラスティックに変化収縮しようとしています。こんな中で、社会の考え方、見方を変えていかないと社会がどんなになるかと心配です。今こそ国民の意識をバブル型、右肩上がり型から、右肩下がり、経済成長率を収縮型に切り替えていかなければ大変な事になると思います。
これからの社会は物の考え方から全てを変えていかないと壊れてしまいますよ。全く今迄の考え方から逆の発想が必要とされてくるのです。
都市研究家・不動産遊民 調 亮