サンサンコーナー
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老いを考える
日本人は老いるということを恐れ過ぎていないだろうか?段々と体は弱り、腰や膝が痛くなって歩けなくなり、意識が薄れ、無くなってしまうのです。それを子どもたちに迷惑をかけたくないとか、お金を負担させたくないとか。
老いることについて知ろうとせず、目を覆ってしまうのかもしれません。しかし老いは誰にでも訪れます。財産を子ども達のために残そうとか、葬式代の負担はかけたくないとか、自分の老後の為にお金を残そうとか。計算では老後の資金は2,000万円ぐらい必要だと言われています。残された子どもに迷惑をかけたくないという思いは、今のお年寄りに常にあるのはないでしょうか。しかし人間という者、生きとし生けるものは常に老化し死んでいく運命にあるのです。
老化とは、今まで何気なく出来ていたことが出来なくなる、自分で考え行動することが億劫になる、やる気がなくなる、歩けなくなる、その他色々な変化が現れるのです。そして生命の衰え、力の衰えが如実に現れてくるのです。この衰えに悲哀を感じだすのが老化の始まりなのです。200年以上生きた人はいません。常に老化し、死へ近づいていくのです。しかし私たち人間は違う方向に努力しようとします。
それは、少しでも若く、元気に見せようとする努力です。その努力は認めますが、それが行き過ぎているのではないかと思われる節が見受けられます。それはサプリメントの多用です。世の中にはあらゆるサプリメントがあります。シワ、シミを取る塗り薬・飲み薬、肌が若返るクリーム・石鹸、その他膝・腰痛を改善するプロテイン等数え上げればきりがありません。まさにTVショッピングで喧しい、喧しいこと大変です。元気で歩けるお年寄りを探してきて、その効果を宣伝することおびただしい限りです。そこにお金の為に出ているのか、昔の女優や昔の男優が、次から次へと出演して私たちの夢をぶち壊しています。その商品の効果がなかったらどうするのでしょう。誰が責任を取るのでしょう。その商品を宣伝している人達は責任を取るべきなのです。昔の有名な歌手がサプリメントの宣伝に出演していたのですが、脳梗塞になって以来その宣伝に出ていません。その歌手のことは嫌いではなかったのですが、その宣伝に出るようになってから嫌いになりました。まだ宣伝に出演してお金が欲しいのか?と思いましたが、そんな芸能人がたくさんいます。もっと私たちの夢を壊さず、上手に老いられないものか?人間の成長度合いの程度が低すぎて嫌になります。男前でなくなった男優、綺麗さが無くなった女優、声が出なくなった歌手等々、色々な方がTVショッピングを賑わせています。これもうまく老いられぬ、人は老いるものだという人生観から外れている方達ではないかと思うと情けなくなります。
日本人はいつから老人を馬鹿にする民族に成り下がったのでしょう。お年寄りを軽蔑する、馬鹿にする芸が横行しています。ある漫談なんか聞いていられません。それを日本の若者や大人たちは面白がっているのです。それもいつかは自分もそうなるのにです。数年後の自分なのです。
社会に対して大きな貢献をしてきた老人をもっと尊敬する社会にしなければなりません。お金ではないのです。ゆとりある生活、ゆとりある受容力を持った人生を築くべきなのです。無駄を削り取る生活、合理的な生活、あげくは老人、年寄りを無駄として捨て去る社会となっていくのではと心配になります。なんと寂しい社会なのでしょう。そんな社会でいいのでしょうか?そんな社会を目指しているのでしょうか?いたのでしょうか?私はそうではないと信じたい。若者は老人を大切にし、尊敬し、老人の知恵を生かし共に暮らせる世の中になったらとてもいいなと常々思います。その為に人間は自分自身の人生観を持って、自分の人生を築き、自分らしく老いなければならないと思います。世の中で決められた定年で引退するのは早い。引退はない?常に我々は現役なのです。その気構えこそが我々に求められているのです。老人をケアするのは施設だけではなく、老人が人間らしく生きられる社会にすることなのではないでしょうか。
ラブ小松
不動産遊民
都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)