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科学と政治
広辞苑によると、科学とは、観察や実験的手続きにより実証されたデータを論理的・数理的処理によって一般化した法則的・体系的知識、また個別の専門分野にわかれた学問の総称、物理・科学・生物学などの自然科学が科学の典型であるとされるが、同様の方法によって研究される社会学・経済学・法学などの社会科学・心理学・言語学などの人間科学もあるとされています。
一方、政治は、①まつり事、②人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み。権力・政策・支配・自治にかかわる現象。主として国家の統治作用を指すが、それ以外の社会集団および集団間にもこの概念は適用できる。森鴎外は「一は多数を相手にした為事(しごと)である。」とされています。
最近、この科学と政治が混同されていると思われるのです。
特に気象庁の気候、天候の発表の仕方です。気象庁の発表の仕方が政治的になっているように思えます。端的に言えば気象予報が常に大げさなのです。例えば、台風の予報です。この予報は常に大きく言われます。それは何故かと言うと、大きく言えば危険を察知して国民がその災害に備えるという予測からなのです。大げさに報道して被害が少なければ気象庁に対する非難は少ないでしょう。しかし、予報が外れ、予報より被害が大きいと非難轟々でしょう。だから大きく言っているのではないでしょうか?それは科学に基づくものではなく、政治によるものなのです。このことにより、国民はその報道に対して、必ず大げさに報道しているから大したことはないだろうとたかをくくってしまいます。童話のオオカミ少年の話と同じです。オオカミ少年の話は皆さんご存知でしょう。
さて、話を本論に戻しますが、今年の元旦に起こった能登半島地震の気象庁の報道についてです。この報道によると、地震の規模を示すマグニチュードは7.6で、1995年阪神・淡路大震災のマグニチュード7.3を上回る規模で、私たちの住んでいる小松市は震度5強の揺れを観測しました。その後もかなりの頻度で余震が続いています。今回の地震はマグニチュード7.6でしたが、マグニチュードの数字が2増えると、地震のエネルギーの大きさは約1,000倍になると言われています。この7.6はおそらく能登半島では歴史上なかったと思われる規模で、少なくとも有史以来、人間が能登に住んで以来なかったことではないかと思われます。
では今後起こる可能性はどうなのかと言えば、恐らく100年以上は起こらないのではないか?と思われます。何故そう言えるのかと言うと、私は77歳で体験してきているからです。私の知る限りマグニチュード7.6の地震を経験しておらず、歴史を紐解いてもそんな記録がないからです。地球上の地震の歴史は、我々人間の歴史と桁違いに長いのです。このエネルギーが溜まるには1,000年ぐらいの期間が必要ではないかと思われます。
さて、能登半島地震発生時の小松市役所の防災無線放送により、5m〜7mの津波が押し寄せると呼びかけ、多くの市民が避難しました。我町民も例外ではなく右往左往でした。私は自宅前のどぶ川と、梯川の水位を見て、5m〜7mの津波なんてあり得ないと言って町民を静めました。まず潮位が引くと、川の水位が下がるのですが、それが全然なかったのです。また、日本海は昔、陸続きだったため、水深が深い所でも150m程です。太平洋は水深3,000m越えのところもあり、水量が全く違うのです。この水量の差は津波の大きさを左右するに違いないのに、その差を科学で立証は一切されていません。歴史上小松の津波は50cm~70cmぐらいで、ほとんど記録されていないはずなのです。
2011年東日本大震災の津波は、私達の記憶に新しいと思いますが、東北の場合は昔ここまで津波がきたという記録があるそうです。これより下の所に家を建てるなという石碑があるそうです。私達は歴史を科学して学ぶべきなのです。それを無視して家を建てたり、原発を設置したりしているのです。なんと愚かなのでしょう。
大切なのは事実を把握して、科学として恐れることは恐れ、恐れる必要のないことは恐れない心を育てることです。
不動産遊民
都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)