サンサンコーナー
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不動産のお話しPartⅨ
不動産のお話しというのは生活産業といいますか、生活が根本にあるばかりにキリがない程あるように思います。今不動産は産業、経済と大きく結びついています。
人口が右肩上がりで伸びている時は経済も拡大の一途を辿りました。しかし少子高齢化時代に突入した今、あらゆる経済の縮小化が進んでいると思います。
その中で特に不動産が影響を受けるのではないでしょうか?
ベビーブームで急激に人口が増加し、建てた住居がどんどん余り出し、各町に空き家が続出し今や地域の社会問題となりつつあります。
都会に仕事を求めて行った人達はほとんどがそのまま都会に住みつき、誰も戻って来ない。他に跡継ぎがいる場合はそれで良いのですが、親世代だけが残った家はやがて老人の家となり、その老人が亡くなると、結局空き家になってしまうのです。
この空き家、今全国に800万戸とか1000万戸とか言われています。この空き家問題が非常に深刻で、そこに住んでいなければ家の管理は行き届きません。特に火災・盗難等安全が確保しにくく、空き家が付近の子供達のたまり場になったり、野鳥や小動物の巣になったりしています。又空き家が古くなると倒壊の恐れがあり、隣近所への安全上大変な問題となっていきます。
それでも空き家が比較的新しい場合は、貸家にして家賃収入が入るように、最近は不動産経営に参加されるサラリーマンの方も増えているようで、社会の変化に対応しています。
でも、その貸家が古くなってしまうと最悪で、いずれその空き家を壊さねばならなくなる時がきます。最近はその解体費用がばかにならず、非常に高くつきます。特に街中で連棟式の場合は単独で壊しづらく、隣家の補修費も含めると極端な話、解体費用がその土地代金を上回る可能性もあり、金銭的な理由でほったらかしとなる場合もあります。これはこれからの大問題になると思います。
今私の土地の隣がそうで、外壁が私の敷地側に倒れて非常に危険です。持ち主からはタダでもいいから引き取ってもらえないかと申し出がありますが、タダでもらっても採算が合わなく、誰も引き取り手が無くほったらかしです。
しかしここから問題はもっと大きくなります。それは持ち主、登記権利者がお亡くなりになると、誰もその物件(空き家)をさわれなくなります。そうなるともう放っておくよりしようがなく、家は壊れるに任せ台風大雨なんかが来るともう大変で、家が飛んで歩くというように危険な空き家が街中を壊し始めます。
そしてこれは行政も、法律を改正しないとどうしようもなくなります。もう喫緊の問題であるにも関わらず、なんの対策もしていないのが現状です。この問題については次回話したいと思います。
不動産遊民
都市研究家 調亮