サンサンコーナー
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不動産のお話しNO.6
場所とは一体何だろう?また自分の住む場所、居る場所はどこにあるのであろうか?
ひどい人になると(これは男性に多いそうだが)自分の家に帰っても居る場所がないそうであります。それは実際にないのか、そう自分が思い込んで錯覚しているのかもしれませんが・・・。
昔から男は、男子たる者裸一貫から自分の場所を築いていきなさいと言われてきました。先人の知恵というか、励ましだろうと思いますが。それほど「場所」というか「面積」というか「空間」というか、この地球上どこにでもあるようにも思われる、自分の立つ場所を確保している人は一体どれほどいるのでしょう。
「この土地は俺のもんや」「これは法務局に俺の名義で登記してあるから俺のもんや」と言っていても、そうでない場合がたまにあります。この「俺のもんや」は、俺が支配しているから俺のもんや、いや支配するとはどういうことか?、使用収益することか?、ならばそれを支配することによって使用、収益出来るのか?ところが俺のもんやけど使用収益してない人の多いこと。
ここで不動産屋さんの登場です。これがコンサルタントの対象となり、いかに使用収益すべきかを考えていかねばなりません。その為にはその場所が何に向いているか、いくらぐらいが妥当か等を常に考えていかねばなりません。単純に銀座の場所と小松の三日市の場所を比較してみると漠然とはわかるけれども、実際その差をハッキリと理解している人は少ないように思います。
その差はその地域を作り上げている都市形成によってできています。その大きな差は人間の居住、活動との緊密さにあるのではないかと思います。自然、地球の規模から考えてみると面積空間において差は感じられないのですが、根本的に違うのは人口比ではないかと思います。
今、品川駅では1日40万の人が通過しているそうです。金沢の全人口が1日で移動しているのです。その場所に店舗を構えるのと、小松の三日市に構えるのとではどう違うのか、それは商品の売れ行きが格段に違うと思います。しかし地価というか賃料は圧倒的に違うと思います。ではどちらの場所が良いのか単純に比較してみます。大量に販売する付加価値が大きいものは品川、一般に大量にさばけなくともゆっくりゆったりと適売していくには三日市が向いているのかもしれません。
品川の方が良いのか小松の三日市の方が良いのか単純に結論を出すことはできないのです。なぜならそれはそこで何をするかにかかっているからです。
いずれにせよ、その場所の差は歴然としているのです。今我々は有史以来の高齢化社会を迎えています。小松の人口が20年後に何人になるのか、人口比率で65歳以上が一家に何人になるのか、何人の人々が小松に住むことによって、今の場所が確保できるのか?我々は常に考えていかねばならないと思います。
今は短期的な物事の見方ではなく、10年後20年後を見据えた場所づくりこそが求められていると思います。
10年後、20年後に私達は存在しているのでしょうか?
不動産 遊民
都市 研究家 調 亮