サンサンコーナー
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不動産のお話No.5
最近の不動産の価格の傾向を見ていると、多分誰も感じておられないだろうと思うのですが、長年不動産に携わった私としては経験上、どうしても腑に落ちない、気にかかることがあります。
それは何かと申しますと、少子高齢化のこの時代、全国で800万戸以上の空き家が発生しているこの時期に、不動産が値上がりしているということなのです。その値上がりの最たるものが東京地区です。
これは全国的に人口が減少していく中で、唯一東京だけが人口増加しているので当たり前の事なのですが、加えてオリンピックの誘致により東京自身が活性化し、不動産がバブルに近い程値上がりしているのです。
この値上がりは東京オリンピックという一大イベントが終わった時、どのような動きをみせるのか、プロも読めない展開になるのではないかと思います。 いずれにしろ東京地区の一人勝ちは間違いないところだと思われます。
ところが、それだけなら不思議ではないのですが、金沢等の不動産も値上がりして、今金沢地区の優良不動産はもちろん、ほとんどの不動産が売り手市場となり、売り物件がほとんど無いという状況が現出しているのです。
これは皆さんにもすぐお分かりの事だと思いますが、北陸新幹線の影響だと思います。北陸新幹線の開通により東京金沢間が日帰り地域として成り立ち、リピーター客が金沢にあふれています。やはり人が集まって活性化してくると不動産は値上がりするものなのです。
しかし、その個別性とは別に不思議に感じられる動き、各地方において収益物件の販売が盛んに行われ、都会特に東京等の人が地方の利廻り物件を求めて来られるケースが非常に増えたということなのです。
今は投資ブームで不動産賃貸有利性を説いたセミナーが大はやりで、東京の高給サラリーマンがどんどん地方に投資してきているのです。東京の物件は2%とか3%の利廻りなのですが、地方でのそれは10%から12%なので投資し易い面があり、どんどん地方、特に県庁所在地等の物件が投資の対象になっているのです。これも「金持ち父さん貧乏父さん」の本の影響もあるのかもしれません。私も不動産を始めた時から投資物件に興味を持って30有余年投資してまいりましたが、2040年には人口減少が顕著になるというこの時期に地方の物件が売れ、不動産が値上がりしていっているという事実はいったいどういうことなのでしょう。
でも私の読めない動き、例えば外国の人が日本に住み、日本の不動産を活性化させるという動きが出てくれば、不動産、特に収益物件というのは面白いのかもしれません。この20余年という短いようで長いような期間に投資をかけているのかもしれません。
でもその頃には私等はもういないでしょうか・・・?
不動産 遊民
都市 研究家 調 亮